ピロリ菌感染症(検査・除菌治療)

ピロリ菌感染症(検査・除菌治療)

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の強い酸の中でも生き抜くことができる細菌です。一度感染すると、除菌しない限り胃の中に住み続け、慢性的な炎症(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)を引き起こします。

放置すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍だけでなく、将来的な「胃がん」の発症リスクを大幅に高めることがわかっています。

​このような方はピロリ菌検査をおすすめします

​ピロリ菌に感染していても、自覚症状がないケースがほとんどです。以下に当てはまる方は、一度検査を受けることをお勧めします。

  • ​胃痛、胃もたれ、胸やけが繰り返される
  • 家族にピロリ菌感染者や胃がんになった人がいる
  • 過去の検診で「胃粘膜の萎縮」や「慢性胃炎」を指摘された​
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返している
  • 40歳以上で一度もピロリ菌の検査をしたことがない

​ピロリ菌と胃がんの関係

​日本人の胃がんの約90%以上にピロリ菌が関与していると言われています。

ピロリ菌によって胃の炎症が長く続くと、胃の粘膜が薄くなる「萎縮(いしゅく)」が進みます。この「萎縮性胃炎」の状態は、胃がんが発生しやすい「畑」のような状態です。

早めにピロリ菌を除菌することで、胃粘膜の炎症を抑え、将来の胃がんリスクを下げることが期待できます。

​当院でのピロリ菌検査

​ピロリ菌の有無を調べるには、いくつかの方法があります。

※保険診療でピロリ菌検査を行うには、法律により「半年以内に内視鏡検査(胃カメラ)を受け、胃炎や潰瘍の診断を受けていること」が条件となります。

  • 胃カメラによる検査: 胃の粘膜を直接観察し、一部を採取して調べます(迅速ウレアーゼ試験など)。
  • 血液検査: ピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。
  • 便中抗原検査: 便の中に菌の成分があるかを調べます。

​ピロリ菌の除菌治療

​ピロリ菌の除菌は、数種類のお薬(胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬)を7日間服用するだけで行えます。

  1. 一次除菌: 最初の7日間の服用で、約80〜90%の方が除菌に成功します。
  2. 二次除菌: 一次除菌で失敗した場合、薬の種類を変えて再度7日間服用します。これにより、ほとんどの方が除菌を完了できます。

​※除菌に成功したかどうかを判定する「判定検査」は、お薬を飲み終えてから1〜2ヶ月後に行います。

​専門医からのメッセージ

​「除菌が終わればもう安心」と思われがちですが、除菌成功後も胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。特に胃の萎縮が進んでいた方は、除菌後も定期的な胃カメラによるチェックが不可欠です。

当院では除菌治療から、その後の定期フォローアップまで、責任を持って皆様の健康を見守ります。